食卓ワゴン

キッチンをリホームした友人の依頼で食卓ワゴンを作る。一人暮らしなので食卓を兼ねたデザインにした。久し振りの大物、安くはない材料費を投じてもらうので実はかなりの緊張だ。主な材はタモ集成材(4200×510×30mm)2本、さすがに長く重い、ホームセンターに配達を依頼する。完成したらさぞかし重いだろう。抽斗にファルタカと栂(ツガ・抽斗の前板)、底板にシナベニヤ5.5mm。栂はバンドソーで切断後、ビスケットで接いで必要な幅を確保、自動鉋で厚さをそろえる。必ず逆目になるので自動鉋を掛けた後、サンドペーパーで処理する。抽斗の端にブラックウォールナットの木っ端を張り付けた。

抽斗の受け桟の端にも、ブラックウォールナットのくさびでちょっとアクセント。ブラックウォールナットは端材をオークションで購入。取っ手はブビンガ、指の入る溝をテーブルソーで切り欠く。天板を取り付けると作業場から出ないので部材完成後、母屋で天板を組む(10mmダボ5カ所と4隅だけビス止め後、埋木)。かなり重いので弟に手伝ってもらった。ポニークランプと荷造り用のベルトクランプで天板を組む。キャスターも取り付けた(ストッパー付きは1個だけだったがちゃんと止まった)。

家具は自作しても、そう安くは出来ない。思い通りのデザインとサイズで満足すべき、なのだが果たして気に入ってくれるかどうか。失敗や材の不良、材を落下させて傷を付けるなどリスクはいたる所にある。木工家の慎重さと力量には敬服する。以前買ったタモ集成材より少し品質は悪いような気がする。集成材にも欠陥はあるし、運搬中の傷も生じる。先駆けて曼荼羅屋で鉋を買っておいたのだが、天板接ぎの木端を削るのにも苦労した。集成材表面に鉋をかけるのは素人にとっては不可能。目違いを取る程度で、サンダー(#60→#120→#240→#400)を思いっきり掛ける。

まず、必要部材を大まかに切り出した後、基準木端のカネを出す(自作の直角鉋を使う、大きいものはリョービの手押しではとうてい無理)。その後、何回かに分けて丸ノコですべてをサイズに切った。丸ノコ刃も新調し、治具の定規も作成。すべての材の寸法を出しておく。切り口は微妙に波打つので、手押し鉋や手鉋で修正。天板は500mm幅と200mm幅の材をビスケットで接合し700mm幅を確保する。組んだ後カネを出して1330mmの長さに切断する。丸ノコで切るので、数回に分けて切り落とす。焼けや目違いは、ほとんど起こらない。サイズに切った抽斗用のファルタカに6mmのストレートビット、ルーターテーブルで底板用の溝を掘る。抽斗はどちらからも引き出せる構造。抽斗は夏場の湿気を考慮し、かなりブカに作った。上下左右は1.5mmの余裕。

ここから本体の組み立てに入る。まず、底板とサイド(抽斗の桟が入るスリットをミゾキリで切っておく)の板をビスケットで接合。棚を桟の溝にはめ込み、ビスで止めてダボ(ウォールナット丸棒)埋め。中央に縦桟をダボで接合。ここから抽斗などのサイズを割り出していく。天板はビスとダボの併用、丸棒の代わりに■のチップをあしらう。共布ならぬ余りの共材でイスも作ってみた。コの字の簡単工作、座板下にアリ溝の桟を付けてカネを保持している。座板はダボ10mmで止めた。傷のあった場所にブラックウォールナットを埋木をしてデザインを合わせている。両方とも無骨だ、1品しか作らないので、材料をあれこれは使えない。取っ手や前板は在庫を使った。仕上げは例によってWATOCO オイル(ナチュラル)、テーブル面だけ2度塗って空拭きした。DownloadにPDF図面。

編み機デスク

 以前、編み機をセットする机を作った。ついでに小物の収納にと抽斗(ひきだし)をセットにした。当初3連を予定していたが、「うっとうしい!」の一言で却下、2連とする。材はタモ集成材(500mm×4200mm)2枚と米栂(つが)角材。抽斗の側板は桐に似たファルタカ集成材で軽い。抽斗の底は5.5mmベニヤ。シナベニヤはきれいだが少し高い。栂は桟や抽斗の前板にした。前板はバンドソーで栂を縦に挽いた後、ビスケットジョインターで接いで必要な幅(190mm)を確保しておく。抽斗の前板になるような適当な材は、ホームセンターでは見つからなかった。
 
 材料を全て切り出してから組み立てに入る。ビスケットジョイントで組むのだが、ポニークランプでないとうまく締まらない。作るものが大きくなると締めるのもけっこうきつくなる。中間の棚や抽斗桟のためのスリットを側板にミゾキリカッターで掘る。机の方の棚板が入る桟は前側を20、30mm残せば前から見たときにスリットを隠せる。スリットはきつめなので接着剤もビスもいらない。材はあらかじめ#80、#120、#400とサンドペーパーを十分かけておく。

 抽斗の作業はいつもと同じ。底板のためのスリットをルーターで掘り、タッカーとボンドで側板を接着、コーナーをクランプして一晩置く。面倒なアリやアラレは当分先になるだろう。必要な強度が出ればいいとはいえ、いつか見えないところにもさりげなくダブテールなどあしらいたい。抽斗を組むビットも買ったので試さなくては。前板を接着(木ねじ)し把手(例によって百均仕様)を付ける。すべて現物合わせ、ムクなので相当重い。最後にキャスターを付けた。WATOCOオイル(ナチュラル)仕上げ。設計図と言えるかどうか? おおまかな寸法をPDFにしておいた、ダウンロードからどうぞ。knitter.pdf

  1. タモの集成材4200mmはさすがに長い。ホームセンターの配達を利用した。160mm丸ノコで切るのだが、水平に気をつけないと重みで材の断面が焼けるし、直角が出ない。190mmのマルノコが欲しいところ。少し余裕をもって板取りし再度寸法に合わせて切る。深さを2回に分けた方がいいかも
  2. 栂を挽き割ったところ。この後手押し、自動カンナとかけて寸を整える。抽斗の前板になる
  3. 桟にする材をそろえる
  4. 抽斗にする材を切り出し、4-2.溝を掘った
  5. 材をバイスでタテに止めて、ビスケットジョインターで掘る。接合する個所には、同時に印を付けておく。ビスケットが入る方向を間違えないようにする。加工前に十分な確認が必要だ
  6. 組み立て前、側板にあらかじめスリットを掘っておく。スリットは前まで掘らない。20mmほど残し、棚板の方をを切り欠く
  7. 直角に注意しながらポニークランプで締めて組み上げる
  8. 天板の向きを間違えている、見栄えの良くない方を後ろにするためチョークで印をつけているのに、なぜか前に来ている。下段スリットの位置も間違えて太くなってるが、抽斗が入るので見えない、桟も組む
  9. 前板を付ける前、抽斗の入り具合を見ている。どのくらい余裕があればいいのかは分からない。なんとかスムースに引き出せる
  10. 引き出しの方は後ろに桟を付けて2.5mmベニヤを張って完成

テーブル

 10年以上使った食卓だったが、倍の長さ(1800mm)の天板にするため作ることにした。机を持たない家人のための多目的食卓テーブル。タモ集成材1本(4200×500mm)が天板。ホームセンターで手に入るてごろな材だったが、最近値上がりしつつある。まずは約半分にする。そのまま接合したのでは奥行きがちょっと長い。片方を100mm切り落とした後、接合する個所を2枚同時に削って水平にする。サイズは1800×900mm、接合はビスケットを2段に入れる。板接ぎクランプは上下、前後への力をかけられるが、さらにクランプを 追加してがっちり締め上げる。
 足はツガ2本を抱き合わせて間に薄板をサンドイッチし、スリットのあるデザインとした。足と天板はビス止めにす る。若干反りが出ているが、目視では分からない。当然だが、集成材も反る。全てビス止めで、縦方向の桟がないため強度は落ちるが、抽斗(ひきだし)6枚を 納めるためだ。抽斗は浅いので七味の瓶が倒して入る程度。割り箸やティッシュを入れる。少しゆらぐので片方の壁に密着させている。抽斗のレールはビス止め、抽斗の方に溝を掘る。塗装は足がダークグレーのツートンにしたかったが、安っぽいの一言で全てオイル仕上。これまでのテーブルの天板が余ったのでワゴンに変身させた。結構重宝している、と思う。取っ手は百均のアルミ製取っ手。安くてシンプル。あれば買い占める、といっても10個も置いてない。3軒とも 買い占めたが、いまだ補充はないから定番商品ではないようだ。椅子は今までのテーブルセットのままだが、コーナーの椅子は置けなくなったので取り除いた。PDFにしておいた。Downloadからどうぞ。

子ども椅子と机

 5歳くらいまでの子どもの学習机を作ってみた。誠文堂新光社刊 週末工房編集部 2×材でつくる「木のインテリア」から。先のフラワースタンドもこの本か らヒントを得て作った。各部のサイズや機能は少し違う。抽斗にしようかとも思ったが、学校の机のような開き方も面白いと思い変更。強度は落ちる。天板の材は 忘れたが集成材を使わず3枚接ぎ、椅子の座板は2枚接ぎ。飾り(本では実際ビスを打ってある)の四角ダボ埋め木にも挑戦した。埋めたあとアリビットのトリ マーで目違いを取る。椅子の座板を真ん中、円形にディッシュビットを付けたルーターで2〜3mm彫った。5mmベニヤをくりぬきガイドにする。円周を先に掘りルーターを落とさないように中を掘り進める。椅子の座板を入れる溝は溝切りカッタで21mmがジャスト。天板に反り止めはない、止まっているところが ないので反るかも。どうせ長くは使わない。椅子の背板は小刀でRを付け、ホゾ接ぎにしている。ほとんどボンドとビス止めで作っているが、頭はダボで埋める。丸棒は回らないようにボンドで接着。座面、天板はサンディングシーラの後クリア仕上。足はカシュー黒。ちょっとシックすぎたかも。持ってる塗料ですま せた。遊びで取説も作った。設計図はPDFでDownLoadから。

ウエルカムボードのためのイーゼル

姪から結婚式に設置するウエルカムボードを頼まれた。何でも友人か親戚で作るものらしい。ネットで売ってるよ、教えてあげたが無駄。面倒だがうれしくもある、作ってみっか。
ウエルカムボードは後に報告するとして、まずはイーゼルだ。イーゼルは持ち運ぶので軽く作る。しかも部品がすべて格納出来るようにする。材は、ホームセンターで購入の栂の角材45mm角、1800mm、6本で900円と格安。節の無い部分を使った。テーブルソーで半分にした後、自動鉋で厚さをそろえる。後ろの3本目は在庫の米赤松。あと、木っ端や丸棒20mm、10mm、ネオジウム磁石(角形皿ネジ)を使用。
塗装はカシュー艶消し黒。アバウトだが設計図をPDFにしておいた。

イーゼル

 友人の注文でイーゼルを作った。初めてなので試行錯誤する。どんな材で出来ているの か分からない。ググるとオーク(楢)が多いようだ。手持ちの材、ヒバを使うことにした。少々高くつくが、パインなどで作る気はしない。もちろん無節。調べ てみてもデザインのいいものがない。例の三角形は作る気になれず、前板が2本後ろT字で支える構造にした。開き止めは材に切り欠きを入れネオジウム磁石で 留める、格納もネオジウム磁石。開き具合は調節できないが、変える場合は紐をかければよい。

 材を切り出し、組んだのが1枚目の写真。T 字はほぞで組み、前板はビスケットジョイント。穴はフォースナービット20mm、正確にあけないと棚板の2本の丸棒が入らない。端材のプラスチックに2カ 所穴をあけ間隔を一定にする治具を作る。ボール盤で垂直に開けるが、貫通させると裏がささくれるので、直前(真ん中の穴が出る)で止め、その穴を目安に後 ろから貫通させる。貫通したら目違を取るためもう一度、表側から彫り込む。

 この後、部材に1回目の塗装を行う。カシュー艶消し黒。穴にたれる塗料はウエスで拭いておく。棚は20mmの丸棒を2本仕込む。穴の方は少し余裕 (21mm)があっても良かった。同じビットで掘ったので、後でペー パーで若干広げた。そのままだと塗料できつくなる。穴と丸棒の塗料は浸透する黒着色剤。蝶番や鉄板にも艶消黒のスプレーで塗装しておく。

  組み上げた後、仕上げは再びカシュー艶消し黒。刷毛ムラが起きないのでこの塗料が好きだ。木目は残らないのでどんな材料で作っても分からない。刷毛はホー ムセンターの安物でかまわない。使用した刷毛をサランラップで包んで保管する。全ての塗装が終わった段階で捨てる。足にゴム底足を装着。

 ネオジウム磁石はマグネットジャパンで購入。3000円以上買うと送料、代引き手数料とも無料。10mm、20mm、30mm、40mmを4個ずつ購入した。イーゼルで使ったのは10mm。

設計図をPDFにしておいた。DownLoadからどうぞ。

 通る時に電話に触れてしまい、受話器が落下する。ということで、珍しく家人の要望で棚を作った。工法はビスケットジョインターのいも接ぎ。中の棚はスリットに裏から通す。素人工法で少しブカになった。現物合わせが通常だが、つい測ってしまった。材にペーパーを掛けた後に組み上げ、ウッドシーラー(サンディングシーラー)で目留め、ペーパー(#400)で磨けばつるつるになる。この工程を2回。周囲と同じペンキ色(象牙色)はなく、似たようなものを探すがなかなか無い。少し水を入れ、2度塗り。濃かったことを考えて白も購入しておく。かなり近いと思ったが設置してみると、グレー系だった。缶の表示色とかなり違う。色合わせは難しい。車の塗装にはほんと感心する。

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